今日は琺瑯彩という技法についてご紹介します。
上の写真の開窓杯のように琺瑯彩は華やかで美しいデザインが特徴です。
琺瑯彩は清の康熙時代(1662~1722)の晩期に新たに開発された技法です。
そのころ、ヨーロッパの七宝の技術が伝わり、それを応用したもので、それまでになかったグラデーション表現を可能にした技法です。
豆彩が釉下彩(青花)と釉上彩(五彩)のコラボレーションなのに対し、琺瑯彩は完全な釉上彩です。
まず、成形した素地に透明釉薬をかけ高温(1100-1300℃)で焼きます。
焼き上げた白磁器の上に琺瑯彩料(琺瑯質の白色釉または、白色と混合した色釉)で絵を描いていきます。
ちなみに、同じ釉上彩である五彩は透明性のある色釉です。
琺瑯彩の不透明な釉薬登場で濃淡のぼかしを生かした細密な描写ができるようになりました。
話は戻って、、彩色した磁器を再度低温(600-900℃)で焼成します。
彩色して焼成、彩色して焼成。これを幾度も繰り返します。
彩色する度に焼成が必要になるので、精密に、カラフルに仕上げようと思えば思うほど、大変な手間が必要な技法と言えます。
(琺瑯彩開窓蓋碗。何回窯に入ったのでしょうか…)
しかし、この複雑で手間のかかる技法により、色彩豊かで色鮮やか、華やかで明るい素敵な琺瑯彩磁器ができあがります。
このサイトでも琺瑯彩磁器を度々ご紹介しています。
みずみずしい色使いや、グラデーション表現に注目して楽しんでいただけると嬉しいです。
琺瑯彩は粉彩と一緒にされることもありますが、粉彩とはやはり異なります。
粉彩についてはまたご紹介したいと思います。
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